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2021年07月22日

共同体社会の仕組みはどうなる? -7

今回は、生活、生産活動にとって切り離せない法規制や契約といった当事者にとっての約束事はどうあるべきかを探りたい。

国家が成立してから法という規範が明確にされてきた。行動の規範や制約、それを守らない場合の罰則と時代が下るにつれて複雑多岐にわたり、現代は法治国家といわれるように、膨大な法制度でがんじがらめになっている。

なぜこんなに複雑多岐で膨大になってしまうのか?それは、国家の成立時点から共同体が解体され大多数の奴隷を支配者が統治するという体制であるから、基本的に財を税として収奪し奴隷を管理する必要から法を作り、守らせる。つまり国民=奴隷を信用していないからである。契約行為というものも、その延長にある。

一方、それ以前の共同体部族では、生活イベントに関する不文律の規範はあるものの、成員全員を信頼していることやもともと自然の摂理に照らした行動原理であるから、それに逆らうこと自体が恐ろしいことなのである。自然の摂理の中に人間の行動原理が包摂されていたのである。

共同体社会へ向けて、現在の法体系として支配原理とその構造から派生した自由、平等、権利、個人という法概念が自然の摂理とは相いれないことを指摘しておきたい。この根本を変える規範としての体系が必要である。つまり、人間の社会活動についても、自然の摂理や生命原理に照らして整合しているのか、持続可能なのかが問われてくる。

今回も参考となる記事を紹介したい。

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2021年07月15日

共同体社会の仕組みはどうなる? -6

今回は、社会にとって必要な情報をどう共有していくかを探りたい。

現在の各種報道機関においては、それぞれの利権に基づくバイアスがかかり、まともな情報とは限らない。メディアリテラシーとして、受けて側に取捨選択させてその責任を負わせる論理は本末転倒である。情報の発信側が責任を負うべきものというのが本筋であろう。そして、判断の単位が個人に還元されてしまったことで隠ぺい、ごまかしのつけ入るすきが生まれてしまう。

一方で、普通の人が普通に発信できることが当たり前になってきた。まだまだ、社会を動かし、統合していくような仕組みではないが、上位下達の構造ではなく、まさにネットワーク構造が必要に応じて、あるいはその注目度に応じて広がっている。共同体を核とした社会こそ、そのような広がりが適しており、その単位として共同体がある。災害時の情報はもちろん、生活、生産などの課題に関する方針、連携、取引などのシステムとしてのプラットフォームがあれば事足りるのが実態だ。

現在でもそのようなシステムをとっている企業なども少なくはないが、株式会社という仕組みが情報の共有を阻害していることも否めない。それを共同体化していければ、共同体の成員としてそこに参画できる。もはや情報を独占している状況ではない。疎外されていること自体が活力も能力も貶めていることなのかもしれない。マスという傍観者こそが奴隷であることに気づくときであろう。

これからの情報共有⇒課題の実現へ向けて「参加」していくことが求められる。そういった記事を紹介したい。

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2021年07月08日

世界の婚姻制度~世界人口5位の国は、恋愛結婚より見合い結婚を望む!~

みなさん、世界人口5位の国が「パキスタン」ってご存知でしたか?

人口が多いということは、
婚姻形態にも先進国とは異なる特徴があるのではないか。

その仮説をもとに、パキスタンの結婚事情について迫ってみることにしました。

~これまでの記事はこちら~
世界の婚姻制度~スウェーデン人は「結婚しない!?」~
世界の婚姻制度~スイス人は国際結婚が主流!?~
世界の婚姻制度~インド人は見合い婚が8割!~
世界の婚姻制度~インドの結婚式は子づくりのための儀式~
世界の婚姻制度~ロシアは世界1位の離婚国!?~
世界の婚姻制度~イスラム教は夫婦の日常生活まで定めている!?~
世界の婚姻制度~中国は派手だけど、恋愛御法度だった!?~

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本題に入る前に、パキスタンについて少しだけ解説します!

パキスタンがある場所は、インドの西隣。
1947年にムスリム国家を建国の理念としてインドから独立した国です。

ヒンドゥー教のインドから独立したということもあり、
人口の97%がムスリム(=イスラム教徒)である点がインドとの大きな違いです。

やはり、結婚慣習もインドとは異なる点があるようです。
では、以前に紹介したイスラム教を踏襲しているのでしょうか。
みていきましょう!

「パキスタンにおける結婚慣習」より引用

パキスタンでは、都市のごく一部の急進的な層を除いては、いまだ親が決めた見合い婚が主流である。農村では恋愛結婚はほぼ皆無といってよい。筆者は現地で家計調査をするなかで、調査を手伝ってくれる学生の女の子たちと話す機会が多いが、彼女たちは大学院まで進みパキスタンの女性として間違いなく最先端にいるが、それでも恋愛結婚より親が決めた見合い結婚を望むという声が多い。

 

■交換婚=ワッターサッター
ワッターサッターは、パキスタンとアフガニスタンに広くみられる慣習で、英語への直訳がギヴアンドテイクであるように、文字どおり、一対の家族間で女性(男性)を交換する結婚のことを指す。
家族Aに兄妹、家族Bに兄妹がいて、家族Aの兄と家族Bの妹、家族Aの妹と家族Bの兄がそれぞれ結婚し二組のカップルが誕生するのが典型的であるが、、家族A(もしくはB)が伯(叔)父と姪、もしくは父親と娘というケースもある。パキスタンではとりわけ貧困層によくみられる慣習であるといわれる。ワッターサッター婚の場合、両カップルが結婚適齢期であれば合同結婚式とすることで、個別に式を設けるよりセレモニーの費用を節約できるほか、ダウリーおよび婚資の支払いが双方の家族に生じるため相殺し合うことで、それらの額も節約できると考えられているからである。

 

■イトコ婚と村内婚
ワッターサッター婚と強い相関をもつのが、イトコ婚、村内婚であり、まとめて同族婚と呼ばれることも多いようである。パキスタン農村における結婚制度に関する実証研究であるJacoby and Mansuri(2010)によると、ワッターサッター婚の実に八割以上が同族婚であるが、ワッターサッター婚でなくても七割以上が同族婚であることから、いずれにしてもパキスタンではイトコ婚や村内婚が主流であることが分かる。筆者の家計調査でも、ワッターサッター婚は少数派であったが、イトコ婚や村内婚は大多数を占めていた。
同族婚の背景には、相続による資産の散逸を防ぐ、という経済的な合理性があるだろう。パキスタンでは均分相続が原則であるため、とりわけ出生率が高い状況(世銀によると、二〇一二年の出生率は成人女性一人につき三・三人)において土地資産が細分化され散逸するのを防ぐ制度として、合同家族制度(jointfamily system =同じ敷地内に兄弟の家族が住む)があるが、同族婚も同様の機能を果たすと考えられる。また同族婚であると、女性の実家が嫁ぎ先と深い関係にあるため、結婚生活における女性の地位向上―意思決定権の向上や家庭内暴力の減少―につながるとの考え方もある。もともとは異族婚および嫁ぎ先の地位が実家よりも高い昇婚(hypergamy)が主流の北インドと比較して、同族婚が主流であった南インドでは女性の地位が相対的に高いことに着目したDyson and Moore (1983)が提唱した仮説であるが、実証面では賛否が入り交じっている(Jejeebhoyand Sathar(2001), Rahman andRao(2004)など)。
一方で、同族婚のデメリットとして考えられるのは、女性(男性)の結婚相手の選択の自由を奪、ということがあるだろう。しかし、ワッターサッター婚に関する議論と同様、結婚相手の選択の自由は同族婚であろうとなかろうとほぼ皆無であるため、同族婚そのものが責められるべきではないだろう。またとりわけ血縁関係が濃いイトコ婚の場合は、奇形児や障害児が産まれる確率が高くなることも知られている。

パキスタンの結婚の慣習はインド的な特徴とイスラームの性格を合わせもち、大変興味深い。ダウリー、婚資、ワッターサッター婚、同族婚などの慣習は、一見時代遅れのようにみえるが、果たしてそう断言することができるだろうか。

 

「インドは8割が見合い結婚」という記事を一度紹介しましたが、
インドとパキスタンの共通点は、見合い結婚が主流というところが見えてきました。

確かに、一見時代遅れのように感じるかもしれませんが、
人類の存続を考えたときに、本来のあるべき婚姻形態はこっちの方向性なのではないか。

むしろ、先進国の個人発の恋愛が特殊なんじゃないかと常識が覆される事実が見えてきましたね。

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2021年07月08日

共同体社会の仕組みはどうなる? -5

今回は、共同体社会の最基底となる婚姻について探っていきたい。このブログでも、歴史を遡ったり、現存する共同体的な部族の事例を扱っており、明文化されずとも、どの事例でも具体的な様々な婚姻規範がある。婚姻対象となる共同体間の状況に応じて、まさに自分たちの集団間のことは自分たちできめていくことが基本であるようだ。

現在に翻ってみると、市場社会以降、まさに自由恋愛による婚姻が主流となっている感があるが、この恋愛という頼りない感情がベースでは、形成される核家族には多くの課題は期待できないし、その課題を市場化するためにはぎ取ってきたのが実態で、育児、教育、福祉などの大半がそうなっている。そしてだれもが幸福感とは程遠い意識状況なのである。

これからの共同体社会においては、そういった課題を再び取り込んで自立できる集団として作り上げていくことが求められる。政府や制度によりかかって依存することから脱却していく兆しがみえつつあり、先に述べたベーシックインカム(基礎保障)を契機として、閉鎖独占、依存存在から解放していくのではないだろうか? 心底では本来の幸福感を求めているのだから・・・

そのような兆しを紹介したい。

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2021年07月01日

共同体社会の仕組みはどうなる? -4

前回は脱市場の観点で新しい生産関係が贈与という概念を通して広がっていき、活力が再生されていくことを述べた。今回は、生産の枠を超えた課題として、どうしても社会的な規範や取り決めなど、共同体のネットワークでも扱いきれない課題があり、そこを焦点にあてたい。

それは(いずれ不要となることを願うが)防衛や大規模災害、環境対策などの超集団的な課題である。現在は法律による規制や国家レベルでの大綱などをもとにそれを専門とするキャリアによって運営され政府機関にて統制されている。逆にその構造が利権を生んでいることも否めない。そして、環境問題に代表されるような課題は、全地球的な解決が必要であるが現状の国際機関としての国連もまた利権(国家間の利害)に左右されている。

いわゆる 脱市場の社会(資本主義社会の終焉後)では、そのような力学よりも、実質的な成果が最大の価値となる。もはやだましや小手先のごまかしは通用しない。経歴や資格も絶対ではない。そのような仕組みづくり、組織化が求められるが、これまで展開してきたように決して独占、閉鎖した構造ではなく、解決に至る過程や決定手法なども開かれた場で皆が納得できるものになっていくだろう。

例えば「リナックス」というオープンソースを皆で作り上げてきたように、だれもが参加できるが皆にとっての成果が求められるような仕組みにヒントがありそうだ。そして、専任化の弊害を解消するには江戸時代の参勤交代。そんな仕組みを今回も紹介したい。

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2021年06月24日

共同体社会の仕組みはどうなる? -3

前回、これからの共同体社会では、市場経済からクラウドファンディングに類する贈与経済へ移行していくであろうことを述べた。今回は、市場という肥大した匿名性の高い場はもうすでに持て余す状況であり、脱市場の観点で今後を探りたい。

現状は市場のニーズという最大公約数的な価値で生産計画が立てられ、拡大を不可欠のものとしている。しかし、衣、食、住をはじめとする物的生産については、人の欠乏、需要というものは無限にあるわけではなく、地球資源としてみても有限であることは自明である。すなわち、今後求められる課題は需要(人の欠乏)と供給(人の欠乏期待に応える活動)のバランスが重要となる。つまり量よりも質が問われてくる。それは必ずしも高額、高級であることは問わない。期待にどれだけこたえられているかという質である。だからこそ、量産というよりも少量多品種、特注、受注生産といった方向に進むであろう。そこでは、期待を上回る成果という意味で贈与→感謝といった連鎖による活動が繰り広げられ、その連鎖が広がることで社会が広がっていく。市場原理のように生産→消費という一回性で終わるものではない。

根底的な欠乏(期待)の次元では意識生産という側面がますます膨らむ一方であることから、それにこたえる供給=生産活動こそが主流となる。そこに活力が再生していくカギがある。

今回も

そのような可能性を示唆した記事を紹介したい。

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2021年06月24日

世界の婚姻制度~中国は派手だけど、恋愛御法度だった!?~

シリーズ第7弾は、
世界1位の人口を誇る「中国」について、迫っていきたいと思います。

中国は、56もの数の民族が暮らしている国です。
そのうち、ほぼ90%を漢民族が占めています。

民族ごとに婚姻形態は異なる部分があるのですが、
今回は、中国の婚姻について歴史的視点でみていきたいと思います。

~これまでの記事はこちら~
世界の婚姻制度~スウェーデン人は「結婚しない!?」~
世界の婚姻制度~スイス人は国際結婚が主流!?~
世界の婚姻制度~インド人は見合い婚が8割!~
世界の婚姻制度~インドの結婚式は子づくりのための儀式~
世界の婚姻制度~ロシアは世界1位の離婚国!?~
世界の婚姻制度~イスラム教は夫婦の日常生活まで定めている!?~

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「中国五千年の文明と歴史 中国とは何か」より引用

 結婚の形は古来、国や時代ごとにさまざまです。近代以前の中国は一夫多妻制の一種である妻妾制をとっていましたが、他国の一夫多妻制とくらべても中国独特の特徴がありました。また、中国独特の「同姓不婚」や「冥婚」、「指腹婚」もありました。「いとこ婚」が許容されるか否かも、中国では時代や地域ごとに違いました。現代中国の結婚式も、そのコンセプトや様相は、日本の結婚式と大違いです。中国人が今も世界一の人口を誇る理由の一因である結婚の歴史的変遷について、わかりやすく解説します。

〇今回のポイント
・親族は血族と姻族。
・父系制、母系制、双系制。漢民族は父系制の宗族社会。
・姓と氏と名字は、本来は違うものだった。

〇今の中国と日本の法的な結婚制度についての違い。
・いとこ婚・・・中国は1981年から法的に禁止。日本では合法。cf.中国婚姻法
・婚姻登記・・・中国においては「実質審査」が行われる。
・夫婦の財産・・・別産制ではなく婚後財産共有制を採用。婚姻期間中に夫婦それぞれが得た所得・財産は夫婦の共同所有とする。
・夫婦別姓・・・日本は明治から西洋風の夫婦同姓に。中国は今も夫婦別姓。
cf.林鄭月娥(りんていげつが)氏・・・氏名は鄭月娥。結婚後、夫の姓である「林」を前につけて林鄭月娥と名乗る。ただし「林月娥」と名乗ることはない。
昔の中国の女性は、蒋介石と結婚した宋美齢が「蒋宋美齢」とも呼ばれたように、夫の姓を自分の姓の前に冠する「冠姓」が普通だった。現在では、台湾も含めて、「林鄭」や「蒋宋」のような冠姓は少数派になった。

〇同姓不婚
中国では、約3千年前の周代から20世紀初めまで、儒教的な「同姓不婚」の制度があった。現代では同姓不婚は法律的にも文化的にも消滅したが、台湾などではかなりあとまで残っていた。昔は、中国の林さんと日本の林さんの結婚にも抵抗感をもつ中国人もいた。
ちなみに、朝鮮半島では長い間「同姓同本不婚」制度が行われており、本貫が同じ同姓は結婚禁止、同姓でも本貫が違えば結婚が許された。同姓同本不婚は、1997年に憲法裁判所が違憲の決定をするまで、法的にも有効だった。
古来、日本には同姓不婚という発想はなかった。儒教圏の中国人や朝鮮人が、「倭人」を禽獣のように軽蔑した一因も、ここにあった。

〇今の中国と日本の文化的な結婚式についての違い。
結婚式は、個人的な考え方や、地域的な違いが大きい。一般的に、中国人の結婚式は派手で、式典の進行はゆるく、礼儀作法も厳しくない。以下は概略である。
・披露宴と結婚式・・・日本人は結婚式と披露宴を分けるが、中国人は分けずに行う。司会進行もダラダラと時間にルーズ。
中国人の結婚式は、早朝、新郎が新婦の家に新婦を迎えに行き、宴会場で宴会を行い、夜、新郎の家に行くまで続く。
・式場・・・日本では結婚式の専門の式場を使うことも多い。中国ではレストランなどを借り切って行うことも多い。日本の箱物はガラパゴス化、中国の箱物はコモディティ化。
・結婚写真・・・中国人は結婚式の前の「婚紗撮影」にこだわる。専門の写真店で、コスプレのような恥ずかしい写真も真面目に撮影する。
・服装・・・新郎新婦の衣装は中国式と西洋式があり、派手。中国では白は不吉な色で、赤はめでたい色なので、中国式の結婚衣装の色彩は赤が基調。
参列者は、新郎新婦を引き立てるため、おとなしめの服を着用する傾向がある。
・案内状・・・日本の場合は返信用の葉書を同封した丁寧な封書が届く。中国は学生のコンパの出欠確認と大差がない。
・お祝儀・・・お金について中国人はおおらか。参列者は現金を赤い封筒に入れた「紅包」を持参。日本の祝儀袋と違い、金額による紅包のランク付けはない。受付係が金額をその場で確認して堂々とノートに書き込んだりすることもある。また、受付ではなく、新郎新婦がテーブルを回るときに直接、紅包を手渡すという会もある。
・引き出物・・・中国人は、テーブルのうえに飴やお菓子をくばるだけ(参列者が適当に持ち帰る)。
・終わり・・・参列者はご馳走を食べ終わったあと、それぞれ、適当な時間に三々五々と帰ってゆく。式全体が終わるまで待つ必要はない。そもそも、式がいつお開きになるのか、判然としない結婚式も多い。
・鬧洞房=中国の簡体字では“闹洞房”・・・新婚の夜に、友人や親類が新婚夫婦の部屋に押しかけて、猥雑な冗談を言ったり、ゲームを強制させたりしてからかう、という中国独特の習俗。

〇親族名称における父系と母系の区別
日本人が英語を訳すとき、ブラザーやシスターの訳で悩む。兄か弟か、姉か妹か。
中国人が日本語を訳すとき、「おじいさん」「おばあさん」の訳で悩む。父方のおじいさんと、母がたのおじいさんは、中国語では全く違う単語を使うから。

英語・・・最もルーズ。兄と弟、伯父と叔父など、年齢の区別さえない。
中国語・・・細かく区別。父方と母方でも分ける。
日本語・・・英語と中国語の中間くらい。

祖父・・・父方の祖父は「爺爺」、母方の祖父(外祖父)は「老爺」。

中国の親族呼称や結婚式のコンセプトには、過去、数千年に及ぶ漢民族の宗族社会の名残がある。

〇昔の中国人の結婚
昔は、上流階級は恋愛結婚は御法度で、親の言いなり。新郎新婦は「洞房」で初対面。
昔の中国は妻妾制正妻=嫡妻は常に一人で、妻妾のなかでは別格の存在とされた。複数の妻を平等に愛するタイプの一夫多妻制は、儒教的にはかえって不道徳とされた。
昔の中国は、親や家の関係を重んずるあまり、「指腹婚」など特異な早婚もあった。
また「冥婚」や「童養媳(トンヤンシー)」(大陸での呼称。台湾では「新婦仔(シンプア)」)など、現代人から見ると奇怪な結婚習俗もあった。

※指腹婚とは:出生前の子を当事者として,親同士の間で取決める婚約のこと。
※冥婚とは:生者と死者に分かれた者同士が行う結婚のこと。
※童養媳とは:男女ともに幼児のうちに将来結婚する相手が決められ、幼女を婿になる男児の家庭が買い取って養育し、成人後に買い取った家庭の息子と正式に婚姻させること。

 

中国の歴史的変遷を見ていくと、親族や家制度をかなり重要視していたことが分かりました。

とくに、父方と母方で親族の名称を区別することからも、厳格に親族という考え方に特異性がありそうです。(この辺りはもう少し探っていきたいところですね。)

また、生まれる前から結婚相手を決めるという早婚も、当たり前だったそう。

それくらい、婚姻による集団の存続を重んじていたことが分かります。ただし、あまりにも規範的すぎて、なんだか少し苦しいようにも感じられますね。集団を守るため、とはいえ、もう少しおおらかでもいいんじゃないかと感じました。

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2021年06月17日

共同体社会の仕組みはどうなる?-2

前回の流れで共同体社会のイメージ像をとらえて頂いた。そのうえで、社会構造として私有から共有を前提とした仕組みが最も重要となることを展開していきたい。

御存じのように現在は全てのものを私有しなければ生きていけない構造にあり、それが個々のつながりを阻む分断を生んでいる。その中で、世界を見渡せば、市場経済の末期において、ベーシックインカムという基礎保障制度を試みる動きがある。慎重に社会実験を行い、導入に向けて動いている。これは私有という概念を基礎保障制度を通じて、共有する概念に転換させる力をもっている。

つまり保障があれば、私有することに執着せずに生活できるので、むしろどのように活動していくかに収束していく。大きくは人との関係をつなぐ活動、すなわち役に立てるかどうか。その目的自体を共有すること、その為の過程を共有しなければ実現できない。もはや個々の閉鎖的な生き方ではなく、組織的、開放的なつながり、活動、意識が主流となっていく。

共同体社会ではそのような活動を根幹とした仕組みになっていくであろうと思われる。古来からの私有を前提とした仕組みからの大転換であることは間違いない。

そういう仕組みの事例としてクラウドファンディングもその一つ。その原理は取引ではなく贈与という概念にある。

 

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2021年06月10日

共同体社会の仕組みはどうなる?

このブログで展開してきたことは、共同体社会への転換がもはや人類にとって生物原理に照らして本来の在り様であり、そうならなければ滅亡に至る危機感からである。私有⇒共有、支配⇒自主管理、閉鎖独占からの離脱といった概念をもとに探り、それを実現するには意識構造の転換が不可欠で右脳の開放により本来の状況の捉え方、思考方法に回復することも述べてきた。

時代は遡るが、そういった実現体として縄文社会がある。今回はそういう社会を垣間見ることで共同体社会の総体=イメージとして右脳的に捉えてほしい。

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2021年06月10日

世界の婚姻制度~イスラム教は夫婦の日常生活まで定めている!?~

世界の婚姻制度の紹介シリーズも、第6弾となりました。
今回は、イスラム教の婚姻事情に迫っていきたいと思います。

イスラム教のイメージは、宗教の戒律が厳しく、女性もほとんど顔をさらさないということから、婚姻事情も厳しいのでしょうか。。。

調べてみて、わかったことは、聖典であるコーランにかなり詳しく婚姻情報が詰まっているということでした!

 

~これまでの記事はこちら~

世界の婚姻制度~スウェーデン人は「結婚しない!?」~

世界の婚姻制度~スイス人は国際結婚が主流!?~

世界の婚姻制度~インド人は見合い婚が8割!~

世界の婚姻制度~インドの結婚式は子づくりのための儀式~

世界の婚姻制度~ロシアは世界1位の離婚国!?~

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https://www.f-tsunemi.com/blog/realislam/1072/ より引用

 

■結婚は推奨行為

イスラム教徒にとって結婚は推奨行為。事情が許せば結婚するのが良いとされます。

聖典コーランには「結婚すべき」と明記されています。

『おまえたちのうちの独身者、またおまえたちの男女奴隷のうち善良な者は結婚させよ』(24章32節)

 

■結婚は「契約」

イスラムでは結婚は「契約」関係です。必ず契約書を作成します。

日本のように役所に届け出るだけでは結婚は成立しません。契約書を作成する儀式は「結婚契約式」などと呼ばれ、通常2人の男性の証人が立ち会います。

契約書には、結婚についての色々な条件を書き込みます。男女の年齢、夫の名前と両親の名前、仕事、妻の名前(夫がすでに結婚している場合)などです。

興味深いのは「夫の妻の名前」を記す欄があることです。イスラム教では一夫多妻が認められているからです。

また契約書には、「マフル(マハル=婚資)」の金額も記します。

 

■マフル(マハル mahr)とは?

イスラム教の結婚においては、マフルを払うのが義務です。「マフル」は新郎が新婦に支払う婚資のことで、結婚後は妻の個人財産になります。(イランではマフルのことを「メフリエ」と言います)

日本の結納金と似ていますが、大きな違いがあります。

結納金は男性の家から女性の家に渡されるものですが、マフルは女性本人に渡されるもの。親に支払われるものではありません。

イスラムでは夫婦別財産制なので、マフルは結婚後も妻の個人財産です。生活のために妻がマフルを家に入れることもありますが、後で返す必要があります。

マフルの額に特に決まりはありません。基本的に妻の社会的身分と夫の経済力に見合ったものとされます。女性の家柄が良かったり高学歴だったり美人だったりすれば、額は上がります。

つまりマフルがある意味、「女性の価値」を示す指標だったりもします。

マフルについて「女性がお金でもらわれている」イメージを抱く方もいますが、当の女性たちにしてみれば、「できるだけ高くもらいたい」、「不当に安くする人とは結婚したくない」が本音です。

中東アラブ社会では、マフルは①前払い・②後払いに分かれるのが普通です。つまり「後払い」は、夫を失った後の妻の生活保障での意味があります。

また夫から安易に離婚させないような意味もあります。イスラム法では男性の離婚の権利が女性より大きくなっているからです。そのため「後払い」の方が「前」よりずっと高く設定されるのが普通です。

 

■イスラム教における夫婦関係とは?権利と義務

イスラムにおける結婚では「夫が庇護者、妻は庇護される者」です。夫は妻子を扶養する義務があり、妻は夫に服従する義務があります。

夫婦の権利・義務をまとめると、次のようになります。

・夫の義務=①生活費を負担すること。 ②性行為を行うこと。

 これが満たされなければ、妻から離婚を請求できる。

・妻の義務=①家庭内の運営に責任を持つこと。 ②性行為を行うこと。

 これが満たされなければ、夫から離婚を請求できる。

このように、性交が夫婦の権利であり義務です。

妻が夫との間で性的な喜びを十分に味わえない場合、離婚を要求する正当な理由になります。

 

■夫が生活費を負担すること

結婚したら夫が家計を担う義務があります。

「アッラーはもともと男と(女)の間には優劣をおつけになったのだし、また(生活に必要な)金は男がだすのだから、この点で男のほうが女の上に立つべきもの」(第4章34節)

「男のほうが上」とあるのは、これは肉体的な優劣を指しています。男性の方が体力があるのだから、「男が稼げ」と神が命令しているのです。

男女を区別すること自体を差別を思う人もいるかもしれませんが、イスラムでは性差は否めない事実です。

体格や体力の差から女性は危険に晒されるリスクが高いので、その性差を認めた上で男女平等を目指すのがイスラムの考え方です。だから生物学的な性差において、女性を守る義務があるという思想が出てくるのです。

 

■離婚

イスラム教ではキリスト教と違い、離婚は禁じられておらず、それは「契約の解消」であり、バツイチなど暗いイメージはありません。

離婚した女性もわりとすぐに再婚します。ただ避けるべきであることは変わりなく、コーランでは積極的に和解をすすめています。

離婚の権利は夫の方が強く、夫が「お前を離婚する」と3回宣言すれば離婚が成立します。

2回目までは復縁できますが、3回宣言してしまうと、妻が他の男性と結婚して離婚しない限り、復縁できません。

離婚の際は夫は妻に後払いのマフルを支払う義務があります。

実際には夫婦喧嘩などで怒りにまかせて「離婚だ!」と言ってしまい、冷静になってから後悔する男性はたくさんいるようです。

また離婚の場合、妻が3回の月経を終了するまで扶養や住居を提供する義務があり、彼女を悪く言ったりすることも禁じられています。

 

このように、コーランによって、けっこう具体的に婚姻制度や生活が定められているのが発見でした。またコーランに載っている、婚姻事情をより詳しくみていくと、「性や夫婦生活」についても多く記載されているのも見つけました。(体位は自由、避妊の方法、性交は夫婦の義務、複数の妻にはすべて平等に扱うなど)

 

イスラムという宗教は、性と俗を分けずに、日常の生活についても細かくルールで示されているのです。

 

ルールで単に厳しく縛られている印象が強かったですが、集団の存続のために、ここまで踏み込んだルールを設定し、男女の役割も明確に定めているのは、今の日本のあいまいな男女関係よりもよっぽど合理的なのかもしれないと感じました。

 

 

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